金融IT本部入社一年目の河岸歩希です。
この度、社内で実施されている伴走型研修に参加し、AWS Certified Solutions Architect – Professional (以下SAP) を受験いたしました。本記事では、その学習過程で得た知見や経験を、僭越ながら受験体験記としてまとめさせていただきます。
これからSAP認定の取得を目指される方や、AWS業務未経験だけどSAPに興味をお持ちの方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
前提
想定読者
著者情報
学部卒の新卒1年目
大学では情報系の学部に所属(クラウド技術には触れたことがないためほぼ未経験者)
会社に入ってから(4月)AWSを学び始める
CLF(5月)とSAA(7月)をそれぞれ取得済み
業務ではAWSを触っていない(触りたい)
試験概要と伴走型研修について
試験概要(SAP-C02)
試験の公式ガイドにも記載がありますが、このAWS Certified Solutions Architect – Professional認定は、AWSを用いたソリューションの設計における2年以上の実務経験を持つ方を主な対象として設計されています。
私のような社会人1年目がこの資格を取得できたなら、それは2年分の業務経験に相当する知識や設計能力が身についた一つの証となり、自身のキャリアにおける大きな自信へと繋がるのではないかと考えております。
SAP認定の学習を始めるにあたり、皆様に最初におすすめしたいのは、まず公式の「試験ガイド」に必ず目を通し、それから学習計画を立てることです。
その理由は、試験範囲が他の認定と比較しても非常に広範かつ多岐にわたるためです。やみくもに学習を始めてしまうと、重要な分野に時間を割けなかったり、逆に試験の比重が低い部分に時間を使いすぎてしまったりする可能性があります。
以下は、その試験ガイドから引用した、出題範囲の主要な分野です。これらの分野に、それぞれどの程度の比重が置かれているかを把握することが、効率的な学習の第一歩となります。
本試験のコンテンツ分野と重み設定は、以下のとおりです。
- コンテンツ分野 1: 複雑な組織に対応するソリューションの設計 (採点対象コンテンツの 26%)
- コンテンツ分野 2: 新しいソリューションのための設計 (採点対象コンテンツの 29%)
- コンテンツ分野 3: 既存のソリューションの継続的な改善 (採点対象コンテンツの 25%)
- コンテンツ分野 4: ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速 (採点対象コンテンツの 20%)
どの分野もまんべんなく出題されるため、偏りなく学習することが重要です。
試験時間と設問数、合格点に関しても、SAAより高く設定されています。
- 試験時間:180分
- 設問数:75 (うち10問が採点対象外)
- 合格点:750点
詳細は試験ガイドを参照していただければと思います。
伴走型研修とは
当社では半期に一度、AWSやAzureなどの資格取得に興味のある方を対象に伴走型研修が行われております。(要申し込み)
内容としては、外部講師との1on1(スキルや状況に応じた学習計画のアドバイス)、毎週30分の勉強会(試験問題の解説や情報共有)、専用Teamsでの相談や質疑応答などを通して、資格取得まで包括的なサポートを受けることができます。
怠惰な私にとってはピッタリの研修だと思い応募しました。
伴走型研修の感想
特によかったと思うのは、外部講師との1on1です。
9月からスタートして、11月末までの3か月間のうち、ほぼ隔週で1on1の時間を設けていただきました。
(スケジュールに関しても、柔軟に対応していただけました)
この定期的な1on1を通じて、学習の進捗と次回の面談までの目標を設定するのですが、この目標設定が継続的な学習のモチベーション維持に大きく寄与したと思います。
また、勉強に際してのアドバイスもいただけたため、効率的に学習を進めることができました。
結果と勉強時間
結果↓

無事SAPに合格することができました。
意外かもしれませんが、試験で最も壁を感じたのは、SAPよりもアソシエイト(SAA)でした。
もちろん、出題される問題の運にも左右されるため、一概には言えないことですが。
ご参考までに、私が各試験を初めて受けた際の「難易度感」を表すと、以下のようになります。
SAA >>> SAP >>>>> CLF = 基本情報技術者試験
こうして振り返ってみると、CLFからSAAへの難易度の上昇がいかに大きかったかを改めて感じます。
SAPの学習では、SAAで得た個々のサービスの知識を、より深く、実践的なシナリオに当てはめていく意識が重要だと感じました。
そのようなアプローチで学習を続けることが、合格への確かな一歩になるのではないかと思います。
学習リソース
主にUdemyとGoogleAIStudioを用いて学習を行いました。
AWS Solution Architect Professional (AWS-SAP-C02) 演習テスト

https://www.udemy.com/share/10bBe7/
75問構成の模擬試験が5セット収録されているUdemyの問題集です。
この教材を選んだ理由は、問題の最終更新日が他の教材と比較して最も新しかったからです。AWSのサービスは仕様変更が頻繁に行われるため、その最新の変更に対応して問題内容を随時更新してくれるコースを選ぶことが、非常に重要だと考えています。
難易度はかなり高めでした。私自身、学習時間の都合で2周目には手が回らず、結果的に1周しかできませんでしたが、平均正答率は6割程度でした。
若干解説が薄い部分もありますが、この問題集だけで試験範囲は網羅できるので安心です。
Google AI Studio
https://aistudio.google.com/prompts/new_chat
もちろん、ChatGPTなど他のAIサービスでも全く問題ありません。
私がGoogle AI Studioをおすすめする理由は、無料で最新モデル(※2025年12月時点)が利用でき、一度に扱える情報量(トークン数)が多い点です。これにより、模擬試験の疑問点や不明点を余すことなく質問できるため、非常に効率的でした。
模擬試験を解き、解説を読んでも腹落ちしない部分があれば、すぐにこのGoogle AI Studioを開き、納得できるまで対話を繰り返す、というスタイルで理解を深めていきました。
問題を解いていて思ったこと
問題を解いていてふと思ったことがあります。それは要件によって正解が変わるということです。
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、180分という時間の中で75問もの長文問題と向き合い続けると、どれだけ準備をしていても、どうしても集中力が途切れてしまう瞬間が訪れます。
そして、そういうときに限って、問題文の最も重要な「制約条件」や「優先順位」の部分をつい読み飛ばしてしまい、「選択肢のAもBも、技術的にはどちらも可能に見える…」という、判断に迷う状況に陥りがちです。
例えば、「モノリシックなWebアプリケーションを、サーバー管理から解放されるマネージドサービスへ移行したい」という典型的なシナリオを考えてみましょう。
この場合、頭の中にはいくつかの有力な候補が浮かびます。(実際の試験では、与えられた選択肢の中から判断します)
候補1: AWS Fargate (Amazon ECS on Fargate)
候補2: AWS Lambda
どちらもサーバーレスのマネージドサービスですが、どちらが「正解」になるかは、問題文に添えられた「要件としては~」といった一文にかかっています。
ケース1:要件が「コードの変更を最小限に抑え、迅速に移行したい」場合
この場合、正解は AWS Fargate になるでしょう。
モノリシックな既存アプリケーションをLambdaが要求するような小さな関数に分割するのは、大規模な再設計を伴うため、迅速な移行とは言えません。一方、コンテナ化してFargateに乗せる場合であれば、比較的少ないコード変更で移行を完了させることが可能です。
ケース2:要件が「長期的な運用コストを最適化し、スケーラビリティを最大化したい」場合
この場合、正解は AWS Lambda になる可能性が高まります。
アプリケーションを関数にまで分解する初期の移行コストは高くとも、完全な従量課金やイベント駆動のスケーラビリティといった、クラウドネイティブのメリットを最大限に活かせる長期的な視点を、この要件は重視しているからです。
2択までに絞れたが、何がまちがっているのかわからないようなケースに陥ったときは、一度冷静になって問題文を読み返し、
「コスト」「スピード」「運用負荷」といったキーワードと、各選択肢を照らし合わせてみてください。
ユーザーが最も重視している要件に応えている方が正解です。
当日の立ち回り
お手洗いと身分証は忘れずに。
私は身分証を忘れて家に取りに帰りました。
皆様にはぜひ落ち着いて持ち物を確認してから出発していただきたいです。
また、試験は長丁場になるので、合間に休憩を入れることをおすすめします。
おわりに
今回、伴走型研修に参加させていただいたことで、AWS未経験だった私でも、最後まで諦めることなく資格学習と向き合うことができたと実感しています。
一人では難しいモチベーションの維持に悩んでいる方にとって、このような学習環境は一度検討する価値が大いにあるかと思います。
SAPは確かに難関資格ですが、今回の経験を通じて、たとえ実務経験がなくても、コツコツと演習を重ねれば必ず合格に手が届く試験だと思いました。
本記事が、これから挑戦される一人でも多くの方の参考となり、合格への一助となれば幸いです。
執筆:@kawagishi.ibuki
レビュー:@miyazawa.hibiki
(Shodoで執筆されました)



