はいどーもー!
Xイノベーション本部の宮澤響です!
本記事では、Xイノベーション本部内の部署であるソフトウェアデザインセンターとクラウドイノベーションセンターに、バーチャルオフィスサービスであるGatherを導入した話をご紹介します!
そもそもGatherって何?
Gather(Gather.Town)とは、Gather Presence, Inc.が提供しているバーチャルオフィスサービス、つまりオフィスのように社員同士が集まる仮想的な空間を提供するサービスの一つです。 SpatialChatやoViceなどと同種のサービスですが、古き良き2D-RPGを彷彿とさせる可愛らしいキャラクターやマップのデザインが、それらとの大きな相違点の一つです。
マップ上で近い場所にいるメンバーや、同じ部屋や机の島にいるメンバー(こちらに関しては設定が必要ですが)にのみ音声が届くため、TeamsやZoomでの通話と異なり、「ふとしたタイミング」で「ちょっとした会話」をする、といったことがしやすいです。
料金についてはこちらを参照していただければと思いますが、同時接続ユーザ数が25名以下であれば、マップの数や広さに関係なく無料で利用できるので、使い始めるための金銭的なハードルが非常に低くなっています。
どういうルールで運用している?
基本ルールとしては、以下の4つがあります。
- スペース内のどこにいてもOK
- いつでも会話やチャットOK
- 会話できない/したくないときはDo Not DisturbモードやFocusエリアを利用する
- Do Not DisturbモードやFocusエリアを利用しているメンバーには話しかけない
ルールといっても、何かを制限したり強制したりといったことはほとんどしておらず、毎朝のログインすらも強制ではなく推奨としています。
スペース内のどこにいてもOK
こちらは文字どおり、どこにいても(キャラクターを移動させても)OKというものです。 私たちのスペースには、机や会議室が配置されている「オフィス」だけでなく、歓迎会などを開催するための「屋上」や、ワーケーション気分を味わうことができる「南国」などが存在します。 そのため、常に「オフィス」にいる必要はないですよ、というのがこちらのルールになります。
いつでも会話やチャットOK
こちらも文字どおりです。 ただし、業務で扱う情報の中でも機密度が高いものに関しては、基本的にGatherでは扱わないこととしています。
会話できない/したくないときはDo Not DisturbモードやFocusエリアを利用する
Gatherには、Do Not Disturbモードというモードが存在します。 このモードでは、自分の音声も周囲に届かず、周囲の音声も自分には届かないようになります。 そのため、TeamsやZoomでの会議中や、作業に集中したいタイミングなど、会話できない/したくないときにこのモードを利用することになります。
また、私たちのスペースには、Focusエリアという個人ブースのような場所を複数設置しています。 このエリアも同様に、会話できない/したくないときに利用することを想定しています。 なお、Do Not Disturbモードとの相違点としては、真後ろ1マスにいるメンバーに対しては、お互いの音声が届く仕様となっている点が挙げられます。
Do Not DisturbモードやFocusエリアを利用しているメンバーには話しかけない
上述のDo Not DisturbモードやFocusエリアを利用しているメンバーは、基本的には会話できない/したくない状態です。 そのため、これらを利用しているメンバーには話しかけないようにしましょう、というのがこちらのルールです。 (Do Not Disturbモードに関してはそもそも話しかけても音声は届きませんが)
Teamsとの使い分けは?
弊社では、コミュニケーションツールとしてTeamsを全社利用しています。 そのため、現在は以下のような目安でTeamsとGatherを使い分けています。 とはいえ、あくまで目安ですので、Teamsで雑談会が開催されていたりもします。
Teams | Gather |
---|---|
他部署の社員が参加する打ち合わせ 事前にスケジュールされた打ち合わせ 特定のTeamsチャネルに紐づいた打ち合わせ |
左記以外の打ち合わせ ちょっとした確認、依頼 雑談 |
アクセス制限はどうしている?
私たちのスペースでは、Guest List Only Access機能を利用したアクセス制限を実施しています。 この機能はホワイトリスト方式になっていて、Gatherにログインしているユーザの中でも、リストにメールアドレスが登録されているユーザのみにスペースへのアクセスを許可できます。 これにより、万が一スペースのURLが漏れてしまった場合にも、部外者がスペースに侵入することのないように設定しています。
導入してみてどう?
良かった点
大きく以下の3点が挙げられます。
- グループ間を超えるコミュニケーションが増加した
- 「ちょっと話しかける」がしやすくなった
- 中途入社の不安を緩和できる
グループ間を超えるコミュニケーションが増加した
私が所属しているソフトウェアデザインセンターの開発技術グループでは、毎朝グループ内で朝会(デイリースタンドアップ)を実施しています。 そのため、Gather導入以前にも、グループ内のメンバーに対しては、朝会の中でコミュニケーションをとる機会がありました。 しかしながら、隣のグループであるセキュリティグループの方々とは、たまたま同じ打ち合わせに参加する、といったことがない限りは、雑談はおろか挨拶を交わす機会すらありませんでした。 もちろん、Teamsで個人チャットを送るなどすれば会話自体はできるものの、特に業務上の要件がないのに個人チャットを送るのはなかなかハードルが高いものです。 このあたりは読者の皆さんも共感していただけるのではないかと思います。
そのような状態だったのですが、Gather導入後は、近くにいる社員に、開発技術グループ、セキュリティグループ関係なく挨拶をする、といった機会が生まれました。 そこから少し雑談をしてみたり、といったこともあります。 これによって、セキュリティグループの方々とも一定の交流をもつことができ、個人的には親近感も湧きやすくなったと感じています。 これは、これまでのTeamsでは発生し得なかったコミュニケーションだと思います。
「ちょっと話しかける」がしやすくなった
前項と類似していますが、「ちょっと話しかける」といったことがしやすくなったと感じます。 例えば、「ちょっとこれ見てください!」「ちょっとここ教えてください!」といった要件をリアルタイムで相手に伝えられるため、チャットでやり取りするよりも快適なことが多いです。
また、業務の隙間時間などに突発的に始まり、周りにいる人にも会話内容が少し聞こえて、そのままふらっと会話に参加できる、そんな形の雑談が発生しやすくなりました。 「この時間に雑談しましょう!」とスケジューリングして行う雑談ももちろん雑談ではあると思うのですが、個人的にはそれに比べてより自然な形での雑談ができているなと感じています。
中途入社の不安を緩和できる
カジュアル面談や中途採用面接の際にGatherの実際の様子をお見せすると、好反応をいただけることが多いです。 リモートワークが主体となったこの時代の転職は、やはりコミュニケーション面に不安を覚える方が多いということで、このような取り組みで少しでもその不安を緩和できればと思います。
なお、実際に最近のソフトウェアデザインセンターの中途入社メンバーからは以下のような声をいただいています。
- 何か不明点を確認したり気分転換をしたりしたいときにGatherにログインし、手が空いていそうな方に話しかけている。Teamsのチャットでは相手の忙しさが分からないため、画面上で動きを把握できるのは良いと思う。
- とにかく何気ない会話がしやすい。雑談からの流れで何かを尋ねやすい。
- 一人で働いているのではなく、チームで働いている感覚をもてる。
- 物理オフィスであれば自然と目にする、耳にするであろう情報に近い情報を得られる。例えば、ステータスや居場所を確認することで周囲の方の状況が分かる。また、自分が会話をせずとも、周囲の方同士の会話を聞くことで、業務状況や人となりなどを知ることができる。
課題点
8月末から導入して、現在2か月ほど経過しましたが、課題としては大きく以下の3点が挙げられます。
- Do Not Disturbモードやマイクオフにし忘れると音声が漏れる
- Gather用のディスプレイがないと使いにくい
- 話しかけたい人がログインしているとは限らない
Do Not Disturbモードやマイクオフにし忘れると音声が漏れる
これはGatherの課題点というよりはTeamsとGatherを併用する際の課題点ですが、Gatherにログインした状態でTeamsでの会議に参加すると、Do Not Disturbモードやマイクオフにしない限り、会議の音声がGather上に流れてしまうリスクがあります。 独り言を垂れ流すだけならば問題ない(垂れ流してしまった側の気分的には問題ですが…笑)のですが、会議の音声の場合、内容によっては機密情報が漏れてしまうおそれもあるので、注意が必要です。 そのため、万が一Do Not Disturbモードやマイクオフにし忘れてしまったときのためにも、会議中はFocusエリアに移動することを推奨しています。
Gather用のディスプレイがないと使いにくい
普段の業務をノートPCのディスプレイのみで行っている場合、Gatherの画面を常には表示しておけません。 そのため、Gatherを利用していてもあまりバーチャルオフィス感がなく、突然話しかけられるとテンパってしまう、といった声もありました。
話しかけたい人がログインしているとは限らない
現状では特にログインを強制していないため、話しかけたい人がログインしているとは限りません。 とはいえ、こちらは運用のルール次第ではあるので、今後検討の余地はあります。
おわりに
本記事では、Xイノベーション本部内の部署にGatherを導入した話について簡単にまとめました。 コミュニケーション活性化に有用で、見た目も可愛く、無料で始められるバーチャルオフィスサービスGather、ぜひ皆さんの部署にも導入してみませんか?
Gatherの回し者みたいになってしまいましたが、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
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フルサイクルエンジニア執筆:@miyazawa.hibiki、レビュー:@yamada.y (Shodoで執筆されました)