ISID X(クロス)イノベーション本部 デジタルエンゲージメントセンター の 根本康平 です。
今回は「Teamsを日ごろ利用している・面倒な作業は嫌・作業を自動化させたい・PowerAutomateは良く知らない」という方に向けて、PowerAutomateで何ができるのかをご紹介する記事です。
本記事の前半では、1から簡単な自動化処理を作り「PowerAutomate」についての理解を深めます。
記事の後半では、PowerAutomateで使える機能や「テンプレート」に触れ、簡単に複雑な自動化処理を作ることができることを知っていただければと思います。
PowerAutomateとは
先ほどから数回登場していた「PowerAutomate」は、Microsoftが提供している業務効率化を目的としたツールです。
自動ワークフローを作ることで、面倒な定型作業や繰り返し作業を人の代わりにやってくれます。
具体的には、「メールを受信したらTeamsに通知が来るようにする」「メールに添付されているファイルをOneDriveに自動保存する」「Excelデータを定期的に加工する」などの作業を自動でやってくれます。
時間の削減はもちろん、単純な作業ミスなども減らすことが可能です。
フローを作って自動でTeamsのチャネルにメッセージを投稿する
ここから、15分で出来るTeams自動投稿フローの作り方を紹介します。
なお、PowerAutomateが利用できる環境/ユーザであることを前提とした説明です。
完成するフローで出来ることは次のとおりです。
- 毎週金曜日 18:00 に特定のTeamsチャネルに自動でメッセージを投稿
- 自分と上司Aに対してメンション
以下の流れでフローを作成します。
- 毎週金曜日 18:00 に起動する新しいフローを作る
- メンションするユーザを決めるアクションを作る
- メッセージ内容を決め、Teamsに投稿するアクションを作る
- 動作をテストする
それでは、いよいよフロー作成の手順を紹介します。
- Teamsアプリを開く
- 「アプリ」をクリック
- 「Power Automate」をクリック
- 「ウェブサイトを表示する」をクリック
- 「マイフロー」をクリック
- 「新しいフロー」をクリック
- 「スケジュール済みクラウドフロー」をクリック
- フロー名を入力、開始日に任意の日付と時間を入力、繰り返し間隔を1週間、金曜を選択し「作成」をクリック
- Recurrence をクリック
- 「詳細オプションを表示する」をクリック
- 設定時刻(時間)に18、設定時刻(分)に0を入力(これで毎週金曜日の18:00にこのフローが実行されます)
- 「新しいステップ」をクリック
- コネクタとアクションを検索する 欄に Teams と入力し、「ユーザーの@mentionトークンを取得する」をクリック
- ユーザーの@mentionトークンを取得する文字の横、三点リーダーをクリックし名前を「自分へのメンション」と変更
- ユーザーの欄に自分のユーザプリンシパルネーム(基本的にはメールアドレス)を入力
- 「新しいステップ」をクリック
- コネクタとアクションを検索する 欄に Teams と入力し、「ユーザーの@mentionトークンを取得する」をクリック
- ユーザーの@mentionトークンを取得するの文字横、三点リーダーをクリックし名前を「上司へのメンション」と変更
- ユーザーの欄に上司Aのユーザプリンシパルネーム(基本的にはメールアドレス)を入力
- 「新しいステップ」をクリック
- コネクタとアクションを検索する 欄に Teams と入力し、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」をクリック
- 投稿者で「フローボット」を選択
- 投稿先で「Channel」を選択
- Teamで[投稿したいTeam]を選択
- Channelで[投稿したいChannel]を選択
- Messageの Add message をクリック、動的なコンテンツから[上司へのメンション@mention]と[自分へのメンション @mention]をクリック
- 改行し、投稿に書きたいメッセージを記入
- 画面右上の「保存」をクリック
- 画面右上の「テスト」をクリック
- 「手動」を選択し、「テスト」をクリック
- 「フローの実行」をクリック(*実際に動作をテストするものです。本当に自分と上司Aをメンションして投稿がされますのでご注意ください!)
- 「フロー実行ページ」をクリック
- 開始時間をクリック、フローがどのように実行されたか確認できます。
- テストで実際に指定したChannelにメンション付きの投稿がされたかを確認
- 「マイフロー」をクリック
- 今回作成したフローをクリック
- 「オフにする」をクリック(これを忘れると、毎週金曜日18:00に投稿されてしまうので注意してください!)
15分で出来るTeams自動投稿フロー作成の説明は以上です。
複雑な自動化機能も簡単に作れる
上のハンズオンでは「ユーザーの@mentionトークンを取得する」「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」の2つのアクションしか使用していませんが、他にも様々なアクションが可能です。ご自身で触れる方は、色々と試してみてください。
例えば、「変数」と入力すれば「変数の設定」や「配列変数に追加」が出来たり、「条件分岐」や「繰り返し」、「Excelの情報を取得・更新・削除」も可能です。「メールの送信」や「AIモデルの構築」も出来ます。
とはいえ、複雑なフローを作ろうとしたら、時間がかかり途中で挫折してしまうかもしれません。
ですが、様々なフローが「テンプレート」として用意されているので、これを使うと楽にフローを作ることができます。
例えば、Microsoft Formsでアンケートを提出するとメール通知されSharepointリストに回答内容が保存されるフロー、ボタンを押したら10分後にTeamsで通知されるフローなど、様々なテンプレートが用意されています。
これらのテンプレートを使いながら、自分流にフローをカスタマイズして利用できます。
面倒な承認作業や勤怠管理などもPowerAutomateを使って効率化できそうですね!
私の所属しているユニットや部署では、PowerAutomateを使って次のようなことをしています。
- 毎日の勤怠管理:特定の時間までに勤務開始のアクションがない社員に対して、勤務開始しているかを確認するTeamsメッセージ投稿を自動で行う
- ポータルサイトのアクションを通知:ユニット内で活用しているポータルサイトに新しい記事が投稿されたりアクションが行われた場合に、特定のTeamsチャネルにメッセージを投稿する
- 定期的にExcelデータの確認と推移グラフの作成:毎月特定のExcelファイル内のデータを確認し、月ごとにデータがどのように推移したかを表すグラフを作成する
私の所属するユニットでは「作業を効率化するにはどうすればよいか」「メンバー間のコミュニケーションを活発にするためにどうすればよいか」などを定期的に社員同士で話し合い、PowerAutomateをはじめ様々なツールを活用して課題を解決しています。
今回はPowerAutomateを紹介いたしました。他にも、PowerAppsという簡単にアプリを作成できるツールもあったりします。PowerAppsの使い方を紹介するような記事も書くかもしれないので、また見ていただけると嬉しいです!
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執筆:@nemoto.kouhei、レビュー:@fukutake.hiroaki
(Shodoで執筆されました)