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電通総研社員の働き方紹介(AITC・3年目・データサイエンティスト)

こんにちはXI本部、AIトランスフォーメーションセンターの徳原光です

現在、私が所属しているAIトランスフォーメーションセンター(通称:AITC)では、新卒、中途問わず、データサイエンティストとして働いてくださる方を絶賛募集中です。

AITCwebサイト

採用情報ページ|AITCwebサイト

例年、AITCへの配属が内定する新卒向けデータサイエンティスト職採用を実施していますが、今年も実施します。詳しい情報が出ましたら、こちらのページでお知らせします。

といいつつ、「いきなりうちの部で働いてください!」と言われても、判断に困ると思うので、自分の働き方をアンケート形式でまとめてみました(同じアンケートを中途の方を含め数人の方に答えていただいているので、順次テックブログまたはAITC webサイトで公開していきます)。

担当されているプロジェクトについて教えてください

1つ目はデータ活用、データ活用・AI導入支援プロジェクトです。お客様は一般消費者向けの製品を開発しているメーカー企業で(おそらく読者の方もこの会社の製品を使ったことがあると思います)、社内にある顧客情報や受注データ、オプション部品情報などのデータを活用して、売上向上を図る施策を提案・実装しています。

企業内で溜まっているけど活用されていないデータを整理しながら、様々な部署にヒアリングを実施します。そして、在庫管理、サービス向上、マーケティングなどの視点でデータ活用案を提示し、データ処理のためのスクリプトの実装や機械学習モデルの構築などを行っています。

データ活用のための戦略を立てる部分から、実際に実現可能か検証(PoC)するための実装までを担う必要があり、提案した施策を実運用にこぎつけるにはいろいろな困難がありますが、その分学ぶことが多いプロジェクトだと思ってます。

2つ目は精密部品メーカーのお客様に対して実施している、製品検査支援AIシステムの開発です。製品の検査画像から欠陥の可能性がある部分を画像処理AIで検出することで、検査員の方の作業を軽減するシステムを開発しています。

こちらのシステムはすでにお客様の工場で稼働しているので、現在はよりビジネス的な価値を創出できるように検出精度を向上させるための試行錯誤(モデルの再学習や異常判定アルゴリズムの改善)を行っています。

この他に、ISIDの1年目の方に向けて半年間実施される新人研修の運営や部署サイトの更新作業、部内で開発しているAIソフトウェアのマーケティングなどを担当しています。

一日の流れについて教えてください

会議多めの日.png

一週間の中で月曜日と金曜日は会議が多いです。月に2, 3回、お客様に対する進捗報告会を実施しています。AIを活用したプロジェクトではプロジェク実施前に結果が予想しにくく、コンセプト検証(PoC)という形で、プロジェクト実施中にお客様と実施事項を逐次検討する必要があります。

読書会や勉強会は毎期実施しています。AITC内の勉強会の他に、他部署の方と実施しているインフラやシステム開発に関する勉強会にも参加しています。勉強会はスキルの向上だけじゃなく、社内の交流の場にもなっていると思います。

作業多めの日.png

作業が多めの日ではコーディングや資料作成を主に行っています。現在実施しているプロジェクトはお客様の企業内にある様々なデータ(発注情報や顧客情報)を活用してビジネス価値を生み出すという案件なので、モデルに入力するためのデータを準備するために、データクレンジングや複数テーブルのデータを結合するための前処理スクリプトを実装しています。モブプロ形式で実装することもあり、データを扱うノウハウやテクニックを先輩から学ぶ(盗む)ことができます。

週に一度会社の同期のメンバーでフットサルをやっています。同期どうしのつながりは他の会社と比較しても強いほうだと思っています。会社の同期とはプライベートでも頻繁に会いますし、仕事でも部署を超えたプロジェクトを実施する際は、部のメンバーレベルで話合う前に、相手の部に所属している同期と予め情報交換しておいたり、内容をすり合わせたりするので、ある意味一つの社内組織のように機能していると思います。

今の仕事に対して気に入っている点はなんですか?

AITCの良いところは若い年次から能動的に挑戦できる環境があることに尽きると思っています。これは会社全体に言えることですが、大企業的に少しづつタスクを指示されながら徐々に裁量を増やすのではなく、ISIDでは個人の自発的な行動が最も重視されるので、最初から自主的に挑戦したい仕事にアサインしてもらうことができます。

さらに、AITCが取り組んでいるAIプロジェクトは「こうすればうまくいく」という方法がないので、一人一人が若手、ベテラン関係なくどうすればプロジェクトを成功に導けるか考えて行動することが求められます。

私は最初からうまくいく方法を学ぶのではなく、どうすればうまくいくのか試行錯誤しながら、答えを出すためのスキルを学びたいと考えているので、ワクワクしながら仕事に取り組めています。

さらに、様々な業界でデータサイエンティストやMLエンジニアとして活躍してきた方と一緒に働いているので、自分だけでは太刀打ちできない課題に直面してもすぐにバックアップしていただける安心感もありますね。

逆に気に入ってない点はありますか?

他部との交流が少ないです。AITCが所属しているXI本部はクラウドVR、UX、構成管理など様々な分野のプロフェッショナルが集まった組織ですし、都市OSやSaaS型のパッケージシステムの開発など魅力的なプロジェクトに携わっている方が多く在籍していますが、AITCの部として結束力が強いせいか、プロジェクトレベルでの協力関係はあまりないと感じています。

もちろん、プライベートや勉強会などでは交流する機会はありますが、他の事業部の人も含めて仕事を通して協力しあえる場面が増えるといいと思っています(シナジーを生み出す的な)。

最近は社内でデータ分析やAIモデル構築のスキルを身に着けたい人が増えてきているので、そのような他部署の方に少しづつAITCのプロジェクトに参加していただいています。さらに、これからはデータ以外のことを学ぶために自分が部署外のプロジェクトに参加してみたいですね。

就職活動(転職活動)の際に、自己のキャリアで最も重視したポイントはなんですか?

なかなか言語化しにくい概念ですが、自分と価値観が似ている人がイキイキと働いている職場に行きたいなと考えていました。働くことの意義はお金を貰えることだけじゃないと就活生時代考えていましたし、今もそう思っています。

ただ、何を持ってやりがいや達成感を感じるかは人によって違うので、自分と同じような考え方をする人が楽しそうに働ける環境に身を置くことを重視していました。

実際に入ってみてどうでしたか?

日々の業務の中で、挑戦したいことや頑張りたいことがたくさんあるので、就活生時代の自分の見立ては間違ってなかったと思っています。

もちろんやりたい仕事ばかりじゃなくて、やる意味を見いだせないタスクもあります。そういうときは自分から声を上げてやり方を変えたり、そもそも実施するか検討できるので不満はないです。ただ、いろいろ考えたあげく結局やるしかないという結論に至ることも多いですが。

「自分と価値観が似ている人がイキイキと働いている」というのは確かにそうだったのですが、ISIDとして、AITCとしてこういう価値観であるべきというものが特にないので、いろんな価値観の人が自分らしく働ける環境だと思います。ただ、組織としてスタンダードがないので、初めて組む人と仕事をするときは、相手に合わせて自分も相手も活かすということをメンバー全員が個人レベルで行う必要があるなと感じていて、そこが今の自分の課題だと思っています。

今後の目標しているキャリアパスについて教えて下さい

XI本部の他の部署を含め、AITCでは、スペシャリストとして、データサイエンティストやMLエンジニアのキャリアを突き詰めてい行きたいと考えている人が多いように思えますが、自分はIT全般に精通して、会社単位でITを用いてビジネス価値を創出するにはどういうすればいいのか、ビジネス全般を導けるような人材になりたいと考えています。

そのために最も大事なことがデータに精通することだと考えています。ITの力で実際に扱うことができるのは現実に存在する商品やサービスではなくデータだけです(IoT機器やロボットアームを制御すれば物体に直接触れるのは一応可能ですね)。

ですが、お客様のデータを触っていく中で、現実に存在する物体とデータは一対一の関係を持っていて、データを加工したり、新しい情報を生み出すことで、対応する商品やサービスにも影響を与えられる感覚をなんとなくですが理解した気がしています(多分気がしているだけです)。

正直今は自分の判断や仕事の質に自信が持てない状態ですが、この「現実とデータの関係」という概念を突き詰めていくことで、いつか自分はITを使ってビジネス価値を生み出すことをマクロな視点でとらえられるようになると自信をもって思っています。今の自分の立場はデータサイエンティストとしてズカズカとお客様の経営と現場両方向に浸食していけるので、日々必要な知識を吸収することができます。

理想の現実としてのデータ

最後に就活生or転職者の方に一言!

おそらくですが、このテックブログではすでに、情報技術に精通している学生や転職者の方に向けたメッセージが多いと思うので、自分はあえてそもそもIT業界で働くか検討している段階の方に向けてメッセージを書きたいと思います。

私は学生時代から学校や研究室で情報っぽいことをやってましたし、就活時代もIT企業にこだわって就職活動を進めていました。ですが、周りに技術に対して情熱を燃やしながら向き合っている人に囲まれながら、最近はあまり特定の技術に対して執着しなくなってきました。自分の中ではあくまでITは手段であり、目的ではないと思っています(逆に周りにはITと無縁だった人で今は技術に熱心に取り組まれている方が多いですね)。

ただ、確実にいえることは、ISIDで取り扱っている情報技術、とりわけ自分が所属しているAITCが取り組んでいるデータサイエンスやAIの技術は現在世の中に存在するあらゆる業界、分野の中で最も強力な手法であるということです。

必ずしも、それ(IT)がやりたいわけじゃないけれど、自分が叶えたいことを実現するには確かに今向き合ているものが必要になるのです。なので、今の環境は自分の現時点のキャリアにとって最高とは言いませんが、いい環境だと思ってます。

そのためには、辛抱強く今ある現実の鏡としてのデータと向き合うことが大切だと思います。もちろん、やり方を変えたり、0から作り直すことも必要ですが、目の前にあるデータからできるだけ価値を絞り出すことが大事だと今は思っています。よく、就活イベントで就活生からITのスキルや知識は必要かと聞かれますが、一番役に立つのは忍耐力です。諦めなければスキルはあとからついてくると信じて仕事をしています。

ということで、むむっと思った方は気軽にお声掛けください。現在AITCwebサイト内にカジュアル面談用のフォームを作成していますので、下のフォームからご応募ください。データサイエンティスト職に関する面談はもちろん、ISIDの総合職に関する面談も可能です(適切な方にお繋ぎします)。

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それでは。

執筆:@tokuhara.hikaru、レビュー:@yamashita.tsuyoshiShodoで執筆されました