論文読み会の紹介
こんにちは。X(クロス)イノベーション本部 ソフトウェアデザインセンター の山下です。 今回は、Xイノベーション本部の有志(現在はソフトウェアデザインセンターとINNOLABが中心)で実施している論文読み会について紹介しようと思います。
毎月1回、担当を決めて担当の方が読みたい論文を選んで、それをスライドなどに内容をまとめて紹介するスタイルで実施しています。 当日みんなで集まって論文を読み進める形式ではないです。
ISIDはいわゆるSIerと呼ばれる業態の会社ですが、読む論文は特に情報関係の論文に限っていません。 ソフトウェア工学の論文やDNAストレージの論文など色々な論文を選んで輪読しています。
論文輪読会の目的とメリット
論文読み会は、自分が入社した時(2021年10月)に部内で論文を一緒に読むような仲間が欲しくて回りに声を掛けて始めた活動です。 最初は自分のチーム内くらいの規模からやるかと思っていたところ、せっかくなので他の部門ともやろうということになりINNOLABの方と共同でやろうということになって始まりました。
自分は論文を読むことはいくつかメリットがあると思っていて、まず論文自体に書いてある技術の知識が身につくということがあります。それ以外にも、メリットがあると考えているので簡単に紹介します。
自分の興味がある分野が分かってくる
多様な分野の論文を探す経験や関連する分野を見ていると自分が興味がある分野が分かってきたりします。
技術調査を行なう経験が積める
論文を読むためにはその技術に関する周辺の知識やその技術が生まれた経緯なども含めて色々調査が必要となったりします。これは流行っている技術を勉強する場合には必ずしも必要がない行為です。例えば、特定のWebの技術(Reactなど)を知りたい場合はその技術について解説した書籍があったり、googleで検索すると解説してくれている記事などもたくさん公開されています。しかし、論文に載っている内容は、まだ世間に広まっていない技術であったりすることも少なくないです。こういった調査になれていることで、流行しはじめたばかりの技術や特定領域でのみ利用されている技術の調査する場合に経験が活かせたりします。
人に技術を紹介する経験
自分の興味に基づいて技術を紹介する機会というのは意外と少ないものです。
業務上で技術を選ぶ場合は実用性などの観点で技術選定を行なうことがほとんどでしょう。
そんな自分が気になる技術を人に紹介するので面白く紹介しようと思って色々工夫したくなるのでプレゼンの練習にもなります。
新たな技術分野を知れる
ここまでは、論文を紹介する側のメリットが並んでいますが、これは聞く側のメリットです。 今回実施している論文輪読会は読む論文の対象分野を絞っていません。ですので、今まで興味を持っていなかった分野に触れることが出来、見聞が広まる機会に繋っています。
現在開催している範囲でも以下のような多様な分野の論文が紹介されました。
- ソフトウェア工学
- DNAストレージ
- 深層学習
- Human Computer Interaction関連
- 人間科学
本当に多様な論文を紹介して貰えて毎回楽しみです。
論文輪読会の実施に掛かる費用
論文といえば学会から購読するのが一般的です。しかし、論文は無料で読めるものが最近だと多いです。arxiv(https://arxiv.org/)などが有名ですね。
とはいえ、有名な学会などの査読付きの論文などはやはり有償のものとなっているものが多いです。 情報系であれば、ACMやIEEEの学会の論文を読める環境の方が良いと思います。 大人数で論文を読むのであれば、企業として契約することを検討した方が良いのですが 今回は少人数ということだったので、希望者が個別にACMなどを購読する形で実施しています。 自分は会社が論文購読の費用(ACMで$198/year)を負担してくれるので大変助かりました。
開催しているときの雰囲気など
これまでに、2022年の3月から毎月開催していて5回実施しています。
概ね好評だと考えています(特にアンケートなどを取っていないので雰囲気です)。
毎回、新しい分野の新しい論文を発表者の方が選んでくれていて大変面白い会合となっています。
聞いている参加者の方も様々な観点で質問を出してくれて、色々刺激になっているのではと思っております。
まとめ
今回はXイノベーション本部で実施している論文読み会について紹介しました。是非皆さんの会社などでも実施してみてはいかがでしょうか?最近は論文を読む敷居もDeepLやGoogle翻訳といった翻訳ツールもあってとても手軽に読めるようになりました。いい時代になりましたね。
私たちは同じチームで働いてくれる仲間を探しています。今回のエントリで紹介したような仕事に興味のある方、ご応募お待ちしています。
執筆:@yamashita.tsuyoshi、レビュー:@sato.taichi (Shodoで執筆されました)