はいどーもー!
エンタープライズ第一本部の宮澤響です!
(組織改編の影響で部署名が変わりました!)
本記事では、現役のIT企業社員(新卒5年目)という立場から、大学入学共通テスト(旧:大学入試センター試験)に今年度から新たな出題科目として設定された「情報Ⅰ」の試験問題を解いてみた感想をお伝えします!
問題・正解
本記事の対象は、令和7年度の本試験問題となります。
問題および正解は、以下に公開されています。
※公開され次第、独立行政法人大学入試センターWebサイトのものに更新予定です。
感想
(以下、当然ですが全て個人の感想です!)
解答者として
何よりもまずみなさまにこれだけは伝えたいという感想として、「情報Ⅰ」で受験生に求められているものは、「情報学の知識」ではなく、「情報を読み取る/活用する能力」なのかなと感じました。
もちろん、後述の大問1 問1 aのように、情報学の知識を問う問題も含まれてはいるのですが、問題の大半は「記載された文章や図表の内容を正確に理解し、そこから分かること/考えられることを解答する問題」でした。
いわゆる「問題文の中に答えがある」タイプの問題です。
その意味では、情報学というよりは日本語と論理的思考力の問題といえるのかもしれません。
私自身、こうして実際に問題を解くまでは「プログラミングやネットワークのような情報学的な問題が多いのかな?」というイメージをもっていたため、そのイメージは見事に覆されました。
「SNSをはじめとするインターネット上の情報に振り回されることなく、情報を正しく理解・活用してほしい」という大学入試センターの思いが込められているのかもしれません。(?)
ということを踏まえまして、以下、大問の一部を抜粋しての雑多な感想です。
大問1
記念すべき1問目、大問1 問1 a、いきなり「デジタル署名」なんて単語が飛び出してきました!
問題を見る限り、少なくとも「デジタル署名を利用することで、情報の発信者が本人であるかと、情報が改ざんされていないかを確認できる」ということを、今どきの高校生は既に理解しているようです。
もうね、びっくりですよね!
私が高校生の頃はデジタル署名なんて知りもしませんでしたし、たとえを耳にしたとしても「ニンテンドーDSみたいにタッチペンで荷物受け取りのサインができるのかなぁ」くらいにしか考えなかったと思います。笑
大問2
大問2 B、「現金で6,000円ずつ集金する際のおつり」というテーマ設定が単純に面白いなと思いました。
確かに千円札で払う人も一万円札で払う人もいるよなぁと、ちょっとしたあるあるでした。
大問3
人日計算による工数計画のようなテーマ設定でした。
そのため、少し「SIerっぽさ」も感じました。
また、この大問のみ唯一プログラムの話が登場しました。
とはいえ、特定のプログラミング言語の知識がないと解けないような問題ではなく、ごくごく簡単なアルゴリズムの問題でした。
そのため、前提として必要な知識は「変数」「配列」「代入」という概念のみでした。
大問4
「尺度水準」なんて私は大学に入って初めて学んだのに…やっぱり今どきの高校生は凄い…と思いながら問題を解き進めたところ、この大問の中で1問落としてしまいました…。
IT企業社員として
数年後の新社会人は、程度の差こそあれ、全員がこのレベルの知識や思考力を有した状態で社会に出てくるわけです。
嬉しいような、ワクワクするような、恐ろしいような、不思議な感覚です。
もちろん、全社会人が共通テストを受験しているわけではありませんが、科目としての情報Ⅰが必修化していることも踏まえると、情報リテラシーは確実に底上げされていると考えられます。
そのため、新入社員に「そんなことも知らないんですか???」と思われないよう、私自身も学びを継続していくことが大切だなと感じました。
また、私が興味をもっている人材開発的な観点から考えると、新人研修の内容にも影響があるのではないかと感じました。
これは、「現在のIT未経験者」と「数年後のIT未経験者」とでは、前提知識のレベルが大きく異なっている可能性が高いためです。
現在実施されている「現在のIT未経験者」向けの研修の中には、「数年後のIT未経験者」からすると、「そんなの全員高校でやってるし…」と思われる内容が含まれている可能性も否定できません。
そのため、近い将来、弊社に限らず、多くの企業(研修実施側、研修受講側、ともに)がIT系の研修プログラムを見直す必要に迫られるのではないかと感じました。
おわりに
本記事では、令和7年度大学入学共通テストの「情報Ⅰ」の本試験問題を解いてみた感想をお伝えしました。
少なくとも今年度の本試験問題では情報学の知識はそれほど要求されないため、IT業界のみなさまはもちろんですが、それ以外の業界のみなさまや学生のみなさまも、お時間のあるときに解いてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
執筆:@miyazawa.hibiki、レビュー:@kinjo.ryuki
(Shodoで執筆されました)