電通総研 テックブログ

電通総研が運営する技術ブログ

AWS re:Invent2025 Keynote現地速報

みなさん、こんにちは。XIイノベーション本部エンジニアリングテクノロジーセンターの宮原です。 アメリカ、ラスベガスにて12/1(月)から始まったAWS re:Invent2025に参加しております。
現地時間の12/2(火)の10:00からのキーノートに先ほど参加し、キーノート終了後速報でこちらのテックブログを書いております!
キーノート内での新サービス・機能の発表の中でいくつかピックアップし、サマリー形式でお伝えできればと思います!

所感

今回のキーノート2時間のうちの9割がAIについての内容でした。
例年のキーノートではコンピューティングやストレージ、データベースについての新サービス・機能の発表が多くある印象ですが今回は9割がAIに関連するものでありAIの躍動を感じております。
AI以外のリリースもあったのですが、そちらの発表に割かれた時間は2時間のキーノートのうち最後のわずか10分だけでした。。。
(タイマーが表示されて10分でその他のリリースを発表するぜ、となり会場が湧きました)
キーノートの発表からAWSでもAI関連の開発や発表が最優先となっていることが伺えました。

新サービス・機能の発表

キーノートの中で発表のあった新サービス・機能の中でも個人的に注目度の高いものをピックアップしてお伝えできればと思います。

Amazon Nova 2

Amazon Bedrockで選択できるAWSモデルで有名なAmazon Novaの新しいバージョンの発表がありました。
Amazon Nova 2はコストと精度の観点でバランスがいいモデルとして紹介があり今回のAmazon Nova 2でも速度の点やワークロードに応じてモデルが選択可能であることを強調していました。
従来Amazon NovaはLite、Proなどいくつかモデルの種類があり、Amazon Nova 2でも複数の種類のモデルがあります。発表スライドの中からAmazon Nova 2でも以下のモデルがあることを確認しています。

  • Lite
    • コスト、速度重視
  • Pro
    • 複雑な推論、精度重視
  • Sonic
    • Speach to Speachなどの用途
  • Omni
    • マルチモーダルの入出力

新種のモデルとしてAmazon Nova 2 Omniが発表されています。
リリースのドキュメントを確認したところこちらのモデルではテキスト、画像、動画、音声を受け取り、画像、テキストを出力可能なようです。
Amazon Nova 2 Omniを利用して音声や画像などのマルチモーダルの入力を受けとり即時で要約するような事例も紹介されていました。
また、マルチモーダルな入出力に対応するモデルは業界初であることも強調されていました。

Amazon Nova Forge

Amazon Nova Forgeは企業独自のカスタムモデルを開発するためのモデルです。
Amazon Nova ForgeのベースのモデルをAmazon SageMakerなどでトレーニングし独自のカスタムモデルを開発します。ドメインに特化した情報などモデルの知識ではカバーできない領域でRAGを利用することは広く広まっていますが、Amazon Nova ForgeではRAGのアプローチとは別の方法(カスタムモデル)で課題を解決します。
RAGとの精度比較のスライドはなく、今後もRAGとカスタムモデルでどちらの方が精度が出るかの議論が続きそうです。

Policy in AgentCore

Amazon Bedrock AgentCoreの機能としてPolicy in AgentCoreの発表がありました。
こちらはAmazon Bedrock Agent Coreの上で動作するAIエージェントをコンプライアンス要件に基づいて制御するための機能になります。
多くのAIエージェントは動作の中で様々なToolを呼び出しますがこのToolを実行条件に応じて制御します。

制御ポリシーについてはAamazon Verified Permissionでも採用されているCederの形式で記述します。
Amazon Bedrock AgentCoreでToolはAWS Lambdaとして実装されることが多いですが、少なくともAWS Lambdaの実行制御は可能であると感じました。

AgentCore Evaluations

Amazon Bedrock AgentCoreの機能としてAgentCore Evaluationsの機能も発表されました。
こちらはAmazon Bedrock AgetCoreで動作するAIエージェントの評価を実施するための機能になります。Amazon Bedrock Knowledge Baseでも似たような機能がありますが、同様にLLM as a judgeを利用しながら開発したAIエージェントの品質を評価します。

Kiro autonomous agent

Kiroに関連する発表も後半にありました。キーノート会場にはエンジニアが多いということもありKiroに関連する発表も注目度が高いように感じました。
Kiroを利用することで仕様駆動開発が促進され生産性の向上が期待できるという謳い文句です。
仕様駆動開発を利用して生産性が最も向上するのは仕様を確定させた後でKiroに長時間コードを生成させる、さらにそれらを並列に実行させることであると話していました。
そのような長時間の生成に特化したものがKiro autonomous agentです。

AWS Security Agent

Kiroに関連する発表の中でAWS Security Agentの発表もありました。
AWSの開発でもセキュリティの要件は最も重要視されるべき要件であるとの前置きがあり、AWS Security Agentの発表がありました。

こちらの機能を利用することで生成したコードのセキュリティチェックを実行するようです。
実際にどのようにAIが利用されているかまでは発表の中では把握しきれませんでしたが、特定のセキュリティ要件を満たしているかどうかをチェックしてくれそうです。

AWS DevOps Agent

こちらもKiroに関連する発表の中で発表がありました。
AWS DevOps Agentは本番環境でのインシデントに対して、Amazon CloudWatchなどと連携し、エラーの原因を自律的に特定し修正するための機能です。
こちらを利用することでオンコールの際のアラート対応の負荷も軽減されそうです。

Database Saving Plan

2時間の発表の最後の10分の発表の中でも最後の発表がこちらのDatabase Saving Planでした。
EC2などSaving Plan同様に一定の利用をコミットを確定することでコストメリットを享受できるものです。
データベースは途中で利用をやめることも少ないため、Database Saving Planの恩恵は大きそうです。

まとめ

キーノートで発表があった新サービス・機能の中から独断でピックアップして概要レベルでまとめてみました。
個人的にも利用したことがあるサービス、興味のあるサービスである、Bedrock、Bedrock AgentCore、Kiroの発表が多くワクワクするキーノートでした。
また、我々エンジニアもフロントエンド、バックエンド、インフラ・SREなどのロール関係なくAIをより活用しなくてはならないなと改ためて思いました。
引き続き現地でAIに関連する技術のキャッチアップをしてこようと思います!以上、現地からの速報でした!

私たちは一緒に働いてくれる仲間を募集しています!

電通総研 キャリア採用サイト 電通総研 新卒採用サイト

執筆:@miyahara.hikaru
レビュー:@miyazaki.hirotoshi
Shodoで執筆されました