注意: 2025年2月現在、WhiskおよびImageFXの商用利用について、Googleは公式な規約を発表していません。 本記事は個人的な検証を行うものであり、現時点では実際のビジネスでの利用は想定しておりません。 生成された画像については私的利用の範囲内に限定します。また、本記事には画像生成AIによって作成されたイラストが多く含まれます。二次利用はお控えください。また、本記事で紹介した手法により発生したいかなるトラブルについても弊社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。
こんにちは。エンタープライズ第一本部 戦略ソリューション 1 部の英です。
普段はWebアプリやスマホアプリの案件などを担当しています。あと、趣味でAIを勉強しています。
最近登場したWhiskが面白そうなので触ってみます。
Whiskは2025年2月12日から試運転が始まったばかりの新しいサービスです。
1:Whiskについて
まず、WhiskはGoogleが提供するこんなサービスです。
詳細についてはコチラのリンクをご参照ください。


冒頭でお伝えした通り、著作権や利用範囲に関する明確な記述がないのが現状です。
そのため、本記事を参考としたビジネスシーンでの利用につきましては、利用するご本人様の責任でお願いいたします。
弊社は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。
Whiskでは、スタイルと背景を指定し、その範囲内でモデルを描くことができます。
これまでの画像生成AIではプロンプトを用いて自然言語でスタイルや背景を細かく指示していました。
自然言語でそれらを完璧に表現することが難しく、同じプロンプトでも生成するたびに絵柄が変わってしまうというのがあるあるでした。
今回のWhiskではその「絵柄」を画像ファイルから指定できるようになったと捉えていただければと思います。
この機能を使えば、同じ「絵柄」の画像を量産できるのではないか?
そんな野望が芽生えたので、会社のテックブログで消化します。
2:前置き
今回は画像生成AIを取り扱うため、前置きが長めです。お付き合いください。
さて、世の中に画像生成AIが登場してからしばらく経ちました。
これまで著作権についてたくさんの議論が起こっては消滅し、また新たな火種が投下されては論争が起こる。
そんな日々がもう何年も続いています。
個人的な考えですが、日本国内に限定した話ならば、国が定めるガイドラインが絶対的なルールです。これは各自で調べてください。その次に参照すべきは各生成AIツールが定める規約だと思います。
ビジネスマンとして、最低限これらのルールは遵守して利用しなければなりません。
とはいえ、ルールの中でカバーしきれていない倫理的な問題を抱えているのも事実で、これらが「感情論」の一言で片づけられている今の世の中にも問題があるとは思います。個人的なクリエイターの目線でもそう思います。
新しい技術には否定的な意見が付き物です。様々な声を聴きながら技術は少しずつ進歩します。
もしかしたら10年後には新しいルールが策定され、この記事で書いてあることがすべて違法なんてことにもなるかもしれません。その時はその時です。その時になったら、その時の最新のルールの中で最適な判断を下しましょう。
ここはドライに考えないと、価値の創造が止まってしまいます。
3:今回の検証内容について
皆さんはプレゼン資料に差し込む画像素材ってどこで調達しているでしょうか。
商用フリーの素材サイトもあれば、買い切りの素材サイトなど色々ありますよね。
今回はWhiskを活用して、欲しい素材を自分で作る実験をしてみます。
もう一度言います。実験です。
前述の通り、Whiskでは「絵柄」の指定ができます。
有名な素材サイトだと「いらすとや」という素晴らしいサービスがありますが、イラストの絵柄が特徴的ですよね。
この絵柄を継承した「AIいらすとや」というサービスがあります。
では、その「AIいらすとや」が生成した画像の著作権についてはどうか。
これはサービスの規約にこのように明記されています。

※引用:AIいらすとや
これも当然かと思います。
なぜならばプロンプトを書くのはサービスの利用者であり、プロンプトに基づいて新しい画像が生成されます。
プロンプトという自由入力に対して、サービス側が責任を持つことはあまりにも荷が重すぎます。
例を挙げるとするなら、AIいらすとやを開いて、ピ〇チュウとでも入力してみてください。

危ない。ほんとに危ない。
周りの可愛いやつらはまだよいですが、モザイクをかけた部分なんてほぼピ〇チュウです。
人間が描いた絵も、AIが描いた絵も、アウトプットが既存の著作物に類似しているかという観点が重要です。
私が手書きでピカチュウのイラストを描いて1枚100円で売ったら明らかに著作権侵害ですし、AIでピカチュウのイラストを描いて1枚100円で売っても著作権侵害です。手法が違うだけで犯している問題は同じ。
もし、このような問題に対してサービス側が責任を負うならば、絶対に安全な画像しか生成されない定型文を何度も検証し、ユーザーはその定型文から選択するだけみたいなUI/UXに縛らないといけません。
そんな仕様では、t2iのサービスとしては破綻してしまいます。誰も使わず寂れていくだけでしょう。
だからこそ使い方には制限をかけず、生成された成果物に対する責任の考え方について規約で明確にしているのだと察します。
ちなみに、Sunoのような音楽生成のサービスでも同じようなルールが採用されています。自己責任だということです。

※引用:Suno
さて、ではWhiskはどうでしょうか。
Whiskにはこのように記載があります。


規約のリンク先では生成してはいけないもののリストが公開されています。そして、生成におけるコントロールの主体はユーザーだと言っています。つまり、生成されたものが著作物に似すぎたり、グロすぎたり、性的だったりしたらユーザーが責任をもってプロンプトで指示内容を調整しないといけません。
例えば、Whiskのスタイルに鳥山明先生のイラスト、背景にディズニー映画、モデルにピ〇チュウの画像を指定して画像を生成したとしましょう。これを商用利用してしまった日には大炎上確定です。
確定演出で画面が虹色に輝いて、スピーカーからキュインキュイン音が鳴るでしょう。ついでにクビになります。

※ほんとに見せられません
4:検証
今回はできるだけ安全に使いたいので、手書きのイラストをベースにします。
私が5分で描きました。このイラストの著作権は私にあります。
ビジネス向けのイラストってだいたいこんな顔してますよね。

これをスタイルに差し込んで、背景は無地を指定します。
プロンプトをいじりながらいくつか画像を生成してみましょう。
1.サッカーをしている少年

※モデルはプロンプトにより生成(A simple, monochrome, single-line flat illustration of a young boy playing soccer. He has short, slightly messy hair and is wearing a sports jersey and shorts. He is kicking a soccer ball with one foot, with motion lines around the ball to emphasize movement. His expression is focused and energetic. The illustration is minimalistic, using clean, continuous black lines on a white background, without shading or extra details.)
2.何かをひらめいたビジネスマン

※モデルはプロンプトにより生成(A simple, monochrome, single-line flat illustration of a young boy playing soccer. He has short, slightly messy hair and is wearing a sports jersey and shorts. He is kicking a soccer ball with one foot, with motion lines around the ball to emphasize movement. His expression is focused and energetic. The illustration is minimalistic, using clean, continuous black lines on a white background, without shading or extra details.)
3.ランチを食べている女性

※私の絵と似ていないものはモザイクをかけています
※モデルはプロンプトにより生成(A simple, monochrome, single-line flat illustration of a woman eating lunch. She has shoulder-length hair and is wearing a casual outfit or business attire. She holds a lunch box, sandwich, or bowl in one hand and a utensil in the other. Her expression is relaxed and content. The illustration is minimalistic, using clean, continuous black lines on a white background, without shading or extra details.)
4.運転をしている男性

※私の絵と似ていないものはモザイクをかけています
※モデルはプロンプトにより生成(A simple, monochrome, single-line flat illustration of a man driving a car. He has short hair and is wearing a casual shirt or suit. He grips the steering wheel with both hands, looking forward with a neutral or focused expression. The illustration is minimalistic, using clean, continuous black lines on a white background, without shading or extra details.)
5.プレゼンをしている男性

※モデルはプロンプトにより生成(A simple, monochrome, single-line flat illustration of a man giving a presentation. He has short hair and is wearing a suit with a tie. He is standing confidently, gesturing with one hand while holding a pointer or remote control in the other. A simple presentation board or screen with minimal bar charts or graphs is in the background. The illustration is minimalistic, using clean, continuous black lines on a white background, without shading or extra details.)
補足:モデルを作るときのプロンプトサンプル
| 目的 | プロンプト | 効果 |
|---|---|---|
| 白黒の線画にする | black and white line art, high contrast, pen and ink style, no grayscale |
グレーの階調を徹底的に排除し、ペン画風のメリハリある線画を得やすくなる。 |
| 一本の線で描くようにする | single continuous line drawing, one-line art, minimal detail |
一本の流れるような線で描いたシンプルなイラストを生成しやすくなる。 |
| フラットなデザイン | flat vector-style illustration, minimal shading, no gradients |
奥行きや立体感を抑え、ベクターアートのようなフラットな仕上がりを得やすくなる。 |
| 描き込みを減らす | ultra-minimalist design, reduce extraneous details, simple lines |
余計な装飾を削ぎ落とし、シンプルで視認性の高いイラストを得やすくなる。 |
さいごに
けっこう期待していたのですが、全体的に「なんとなく絵柄が似ているかもな」くらいの印象です。
これは私の手書きイラストのクオリティが低かったことが原因だと思います。
画力に自信のある人は手元の環境でぜひ試してみてください。
まだ実験段階とはいえ、無料でこのクオリティのサービスを提供するGoogleには頭が上がりませんね。
これを悪用して素材サイトで販売しようかな?とか思わない方がよいです。
今後、画像生成AIに関する世の中の考えかたや法律がどのように変わっていくか静観しましょう。
これからもAWSやAI関連の検証記事をたくさん書いていきます。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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執筆:英 良治 (@hanabusa.ryoji)、レビュー:@nakamura.toshihiro
(Shodoで執筆されました)



