こんにちは、事業開発室の里中裕輔です。
本記事では、Engineers GUILDのご紹介と、その8回目のイベントであった Engineers GUILD Vol8 「世界トップの学会コンペの優勝者が解説する、最先端のDeep Researchシステムのアーキテクチャ」 についてレポートします。
Engineers GUILDとは
Engineers GUILD(エンジニアズ・ギルド)は「エンジニアの、エンジニアによる、エンジニアのためのギルド」を掲げる、分野横断型の技術コミュニティです。現場で活躍するエンジニア同士が、副業や越境活動を通じて学び合い、つながり、共創できる場を目指します。
https://engineersguild.peatix.com/
その第8回目として、2026年04月22日(水)に、Deep Researchに関する勉強会を開催しました。
2025年2月に Deep Research が登場し、市場調査、競合分析、先端技術調査など、Web上を調査する様々な場面で活用されています。このように、ブラウザのチャットUIで利用する場面が多い一方で、システムへの組み込みも検討されています。
Deep Researchをプロダクトや業務システムに組み込もうとすると、すぐに大きな壁にぶつかります。商用APIを利用すればスピーディに始められる一方で、継続利用にはコスト面のハードルがあります。また、自社で内製しようとしても、Deep Researchのアーキテクチャは十分に公開されていないケースが多く、検索、推論、ツール制御、エラー処理まで含めて自分たちで設計するのは簡単ではありません。だからこそ、「Deep Researchをどう作るのか」をアーキテクチャの観点から理解することには、大きな価値があります。
タイトルにもありますが、我々のチームは昨年のNeurIPSコンペで優勝を果たしました。
https://www.dentsusoken.com/news/release/2025/1219.html
今回の勉強会は、私たちのチームが注目している「DR Tulu」という論文で公開された Deep Research システムのアーキテクチャについて解説し、参加者の方々と活発に議論できた会になりました。

勉強会の内容としては以下のとおりです。
・電通総研『尾崎 尚憲』さん: 「DR Tuluのアーキテクチャ解説」
・懇親会
DR Tuluのアーキテクチャ解説
尾崎さんからは、オープンソース技術で構築されたDeep Research システムである「DR Tulu」に関する講演がありました。今回は、モデルの解説のような理論には踏み込まず、どういったアーキテクチャであるのかの解説がメインでした。
多くの方にとって、Deep ResearchはブラウザのチャットUIから利用するものだと思います。そのため、一見すると「高性能な生成AIモデルが、うまく調査してくれている」と見えるかもしれません。しかし、実際のDeep Researchは単体のAIモデルではありません。
検索エンジン、Webクローラー、キャッシュ、API連携、ツール制御層、エラー処理など、複数のコンポーネントが連携して動く“調査システム”です。つまり、良いDeep Researchを作るには、モデルの知識だけではなく検索・取得・制御・復旧まで含めた総合的なシステムエンジニアリングの力が求められます。
尾崎さんより、「DR Tulu」を題材に全体のアーキテクチャの概要や、システムエンジニアリング上の10個の工夫など、アーキテクチャ面の紹介がされました。
発表スライドはこちらで公開されているので、興味のある方はご覧ください。
https://speakerdeck.com/hisanoriozaki/dr-turu-akitekutiyawan-quan-jie-shuo
懇親会
懇親会も多くの方に残っていただき、発表内容に関する質疑や広くAIについてのディスカッションができました。今回、アーキテクチャにフォーカスしたイベントだったので、日ごろAIエージェントの開発を行っている方に多く参加していただける会になったと思います。
意外だったのは、モデルの学習方法や評価方法などの議論も行われたことです。事前の想定では、アーキテクチャや実装面での工夫に関する議論が多くなると考えていたので、最初は不思議に思いました。参加者の方々と会話を進めると、AIの導入を推進しているエンジニアの方々は、各ステークホルダーに「そのシステムがなぜそういった出力をしたのか」を説明する責任を負っており、モデルのアーキテクチャについての知識も必要とされているということがわかりました。
そのため、エンジニアの方々もモデルの学習方法や評価方法などに踏み込んだ質問をされるということになりました。
私自身としても、多様な視点で会話することができ、有意義な懇親会だったと感じております。
まとめ
今回は、Engineers GUILDのご紹介と、その8回目のイベントであった 「世界トップの学会コンペの優勝者が解説する、最先端のDeep Researchシステムのアーキテクチャ」 についてレポートしました。
私が勉強会を通じて感じたのは、エンジニアの方々の情報収集において Deep Researchシステムは身近なものになったということでした。そんな状況の中で、コストの面や機密情報の投入など、Deep Researchシステムを使ううえでの課題があることを感じました。
Deep Researchは、単なる便利な調査ツールから、プロダクトや業務システムに組み込まれる“知的基盤”へと進化しつつあります。その流れの中で、生成AI、LLM、AIエージェントをどのように設計し、どう運用し、どう継続的に価値へつなげるのか。今回の勉強会は、その問いに向き合う非常に良い機会となりました。
電通総研は、引き続きこのような勉強会を開催する予定ですので、興味ある方はぜひご参加ください。
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電通総研 キャリア採用サイト執筆:@satonaka.yusuke
レビュー:@kinjo.ryuki
(Shodoで執筆されました)



