電通総研 テックブログ

電通総研が運営する技術ブログ

気づいたらロンドンにいました。新卒10年目、“想定外”の海外赴任生活

こんにちは。電通総研に新卒で入社して10年目、現在はロンドン現地法人(DENTSU SOKEN UK, Ltd.)に出向して3年目の竹村です。

社内では少し珍しい“海外赴任組”のひとりとして、ロンドンで働いています。

とはいえ、「絶対に海外で働きたい!」と強く願っていたわけではありません。
きっかけは本当に偶然で、完全にタイミングと運でこの地に立っています。

なぜ海外赴任に?

私が所属する金融IT本部は、グローバルに展開する金融機関のIT部門と一緒に進めるプロジェクトが多く、海外とのやり取りが日常茶飯事です。海外出張や赴任のチャンスも比較的多い部門だと思います。
実際、私が東京で携わっていたプロジェクトも、ロンドンにメインの開発拠点があり、当時からロンドンのメンバーとは毎日のようにやり取りしていました。

そんな中、もともとロンドン常駐だった前任の方が退職されて、ポジションがぽっかり空いてしまい…。
たまたまそのタイミングで、英語がある程度できて、海外勤務に抵抗がなく、さらに同じプロジェクトのことをある程度理解していたのが、当時のメンバーの中で私だけだった...という流れで、そのままロンドン赴任が決まりました。

つまり、「強く希望して海外赴任を勝ち取った!」というよりは、「たまたまタイミングと条件がハマった」という感じです。

とはいえ、弊社には風通しのいい文化があるので、「行きたい!」と希望を出し続けていれば、ちゃんとチャンスは巡ってきます。実際、周りを見ても、声を上げ続けていた人はみんな出張や赴任で海外に行っている印象があります。もし海外勤務に興味があるなら、遠慮せずにどんどん希望を出し続けるのがおすすめです。

現在の業務について

ロンドンでは、某銀行で使われている外国為替取引の自動アルゴリズム執行システム(通称:EFXシステム)の開発に携わっています。
このシステムはほぼスクラッチで作られており、メインの開発拠点はロンドン。東京では主に成果物の受け入れテストや周辺機能の開発を担当していて、ロンドンと東京で連携しながらプロジェクトを進めています。
銀行の大規模システムとしては珍しく、アジャイル開発を採用しており、月1回のリリースサイクルで継続的にエンハンスを続けています。

私の役割は、ロンドン開発チームの一員として、現地のBusiness Analyst(ユーザー部門からの要望をとりまとめて、システム設計に落とし込む人)と連携しながら設計を詰め、担当アプリの開発から単体テストまでをひとりで担当することです。
最終的には、自分で考えて、決めて、作るというスタイルなので、裁量も自由度も大きい分、正直、責任もかなり大きいです。

ロンドンでの働き方とカルチャー

ロンドンの現地法人では、管理やPreSalesを除くと、基本的にオンサイトサポート。勤務スタイルはお客様のルールに従う形で、私のお客様先では「週3日出社・週2日リモート」が基本。定時は9:00〜17:30です。
ただ、現地の行員の皆さんはあまり定時を気にしていないのか、遅く来る人もいれば、なぜか毎日定時前にさっさと帰る人もいたりして、けっこう自由です。笑(その中でも日本人はしっかり働いていて、定時を過ぎるとオフィスに残っているのは日本人ばかり…というのがいつもの光景です。笑)

業務中はしっかり集中して取り組むものの、「仕事よりプライベートの方が断然大事」というカルチャーがこちらでは根付いていて、赴任当初は正直かなり衝撃を受けました。
そのぶんワークライフバランスはとても良好で、夏休みやクリスマスには1ヶ月近く休暇を取る人も珍しくありません。
今ではすっかりこのスタイルに慣れてしまい、日本に戻ったときちゃんと働けるか、ちょっと不安です。笑

業務の進め方も日本とはけっこう違っていて、ミーティングは最小限。(みんなミーティングが嫌いなので……)
定例は基本的にデイリースクラムのみで、それ以外は必要があればその場で声をかけ合って、短時間でサクッと話して終わる、という感じです。
メンバーはそれぞれが自立して動いていて、同じプロジェクトでない限りはあまり関わることはありません。会ったら雑談するくらいです。
一応リーダーはいますが、積極的に指導や管理をすることはほとんどなく、「困ったら助けるよ」くらいのスタンス。なので、かなり各自の自主性に任されています。(そのぶん正直、クオリティにばらつきがあって、若干そこは課題でもあります……)
基本的には「できる人のコードを勝手に読んで学ぶ」スタイルで、自主性がかなり求められます。

海外で働きたい人に伝えたいこと

海外で働く上で大切なのは、業務知識や技術といった専門性をしっかり持っていることだと思います。(もちろん、英語で最低限のコミュニケーションができることは大前提ですが)
私は東京でEFXプロジェクトにしっかり関わっていたおかげで、ロンドンでも即戦力としてスムーズに受け入れてもらえました。

そしてもうひとつ大事なのは、「希望し続けること」だと思います。
(まあそこまで強く希望してなかった自分が言うのもなんですが…笑)

「海外で働いてみたい」と思っているなら、タイミングはきっといつか巡ってきます。

最後に

海外赴任は、思っているよりずっと現実的で手の届く経験です。
環境が変われば働き方も考え方も変わりますし、なにより自分の成長を強く感じられるチャンスでもあります。

私のキャリアが、これから海外を目指す誰かの参考になれば嬉しいです。


日本からのロンドン赴任メンバーで一枚。(一部違う人もいますが…)

私たちは一緒に働いてくれる仲間を募集しています!

電通総研 キャリア採用サイト 電通総研 新卒採用サイト

執筆:@takemura.masakuni
レビュー:Ishizawa Kento (@kent)
Shodoで執筆されました