1. 自己紹介
金融IT本部 融資ソリューション2部末永です。
入社20年目、42歳です。これまで金融機関向けスクラッチ開発、PKG導入、ユーザ支援ツール導入、保守などに携わってきました。
担当業務領域としては、銀行市場リスク管理領域・融資領域・決済領域、生命保険会社ALM領域などを担当してきました。
2. 融資ソリューション2部の取り組み
私の所属する融資ソリューション2部では、金融機関様向けに自社パッケージであるBANK・Rのノウハウを活用した、融資支援システムのスクラッチ開発を行っています。
ITコンサル、新規システム開発、エンハンス、保守、などフェーズによって関わり方がありますが、要件定義で合意した仕様のシステムをお客様に納品する活動を行っています。
3. これまでの取り組み、改善していきたい課題
これまで自分が担当してきたお客様の多くは、弊社が長くお付き合いしているお客さまで十分に深耕できている先が多かった印象があります。お客様の困りごとや提案訴求ポイントを把握しやすい距離感であるメリットを活かした提案を行ってきました。
一方で、お客様が気づいていない課題などに直面するケースや深耕しきれていないお客様へのアプローチをしてビジネスを拡大するには、自身の対顧ヒアリング・深堀、提案能力のさらなる向上が必要と考えています。
具体的には、新規のお客様に対してBPR業務コンサルからご支援をして新規システムの提案をするケースにおいては、お客様の困りごと・優先順位の整理、訴求ポイント、電通総研の優位性の検討、お客様向けの説明能力などが必要となってくると考えています。
4. 電通総研の部署横断の新たな取り組みへの参加
2024年1月から社名が電通総研にかわり、「SI×コンサルティング×シンクタンク」として新たな価値提供を目指しています。
私自身も視座や能力を改めて開発する必要性を感じていた中、組織横断選抜のワークショップ企画があり参加してきました。
【企画概要 ~某コンサルファーム講師を招いてのワークショップ形式~ 】
- テーマ:脱“受託型SIer”思考研修 ⁻課題解決型コミュニケーションの実践
- 期間:半日×4セット(全4回)
- 研修での学び
・ ヒアリング設計の在り方。(課題仮説を持ったうえで、お客様の困りごと・方向性整理を併走、推進する)
・ 課題の定義にあたって視座をあげ、ストーリーを構築すること。
・ 我々オリジナルの訴求ポイントの追求。
・ 上記を共有・推進、訴求するために必要な会議設計。
【ポイント・特徴】
- 顧客訴求・顧客を動かすための思考トレーニング:
従来のSIer思考からのステップアップを狙う。
(1)SIer思考:相手の困りごと → 自分たちができることは何か?
(2)コンサル思考:相手の困りごと → 相手に必要なことは何か? → それをできる方法は? - 部署横断参加:
年次、顧客、扱う商品(SI、PKG、製品開発、コンサル)など、背景が違うメンバの参加でやり方の吸収や気づきを得ていく。 - ワーク中心の研修:
講師から最小限の考え方・ツール説明を聞いて、後はひたすらグループワーク。仮実践を通して、ノウハウ・気づきを創出する。
5. 研修概要・取り組みのご紹介
演習風景 「我々オリジナルの訴求ポイントの追求」
ワーク課題設定 「顧客課題ヒアリング後、顧客にとっての提供価値・TOBE像を考え、電通総研が選ばれるシナリオを検討する」

演習を通しての学び
現在地点の共有
顧客から出る困りごとは氷山の一角。顧客の困りごと・現在地点を整理するための問いかけ自体が、顧客への提供価値になる。ゴールの共有
WHY電通総研?を磨くために、TOBE像の解像度を上げること、顧客から見た優先度の整理が重要。顧客にない発想の引き出しによる価値提供
顧客担当部では思いつかない指摘の検討、第三者だからできる発想が価値を生む。
・同じ課題は他部署にもあるのでは? フォーカスされている調達以外のフロー上にも別の問題があるのでは?
・情報システム部(横串管理部署)の視点での指摘や、マネジメント視点での優先・懸念ポイントは何か?他社優位性を見出すためのコミットメント
製品価値や実績だけでは他社優位性が見いだせないケースは多々ある。
スコープ外への対応やコミットメント姿勢など自社が最も顧客訴求できる点を検討したうえで、付加価値をどこに置くか、検討・調整していくことが価値を生む。
演習風景 「会議設計の検討」
ワーク課題設定 「顧客向けBPR提案において、初回会議~提案受注までのシナリオを検討する」

演習を通しての学び
全体計画の整理
そもそも売る側の立場として、案件受注を目的に置き受注に向けた経路設計から始める。顧客への依頼事項の整理
後回しにしがちだが、とても重要。顧客から見た前提やWHY電通総研を輝かすための素材ヒアリングを意識すること。各回のストーリー・ポイントの整理
打合せ回数、期間はどの程度? それぞれの回でどう進めるかを検討する。
例:①(課題共有、TOBE検討ネタの提供、ミニワークショップ)→ ②(顧客持ち帰り事項の共有、TOBE検討の議論) → ③(TOBE像優先順位の議論)→ ④(提案)
6. まとめ
対顧ヒアリング・深堀、提案能力向上に向けては、日々の活動の中での声がけや気づき・検討が重要と思っていますが、研修を通して視点や考え方、マインドセットを体感して、実務での学びを大きくするための活動をご紹介させていただきました。
「顧客課題の深堀・訴求活動」と「品質の良いシステムを作り上げる活動」は、それぞれの分野のエキスパートによってなされることがありますが、私はそれぞれが業種・職位を超えた視点を持って、提案・開発を進めていくことが重要と思っています。
BPRコンサル・上流提案というと一部のメンバが携わる活動と思われるかもしれませんが、営業・コンサルタント・PM・SEがそれぞれの視点で考え、互いに議論を重ねていくことで、付加価値・顧客体験価値が上がっていくものと思い日々活動しています。
執筆:@suenaga.asuka
レビュー:@miyazawa.hibiki
(Shodoで執筆されました)



